足利市立美術館

栃木県の足利市立美術館から、展覧会やイベントの情報などをお知らせします。

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レクチャー&ギャラリートーク「前田真三の写真を語る」が行われました

 8月28日(日)、前田晃さんによるレクチャー&ギャラリートーク「前田真三の写真を語る」が、80名近い参加者を集めて行われました。
 前田晃さんは前田真三の長男であり、前田真三の写真事務所・株式会社丹溪を引き継いで、長く写真家として活動されています。今回のイベントでは、前半は美術館の多目的ホールにて、当時の前田真三作品のポジフィルムを使ってのスライドレクチャーが、後半では場所を展示室に移し、前田真三作品を前にしてのギャラリートークが催されました。
 まずは、今となっては懐かしさが大いにあるスライドを使ってのレクチャーです。レクチャーでは、今回の出品作品にちなんだ場所や風景を中心にして、まずは前田真三の当時の写真作品を、そのあとには前田晃さんが、同様のモチーフや場所で近年撮影された写真を関連づけてスライドで見せるかたちで2枚一組にし、50分ほどをかけて数十セット、解説を添えながらのトークが行われました。また、レクチャーの終了後には、質疑応答が行われ、前田真三や写真についての、熱のこもったやり取りが交わされました。

盛況の中で行われたスライドレクチャー

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最後には熱い質疑応答が交わされました。


 レクチャーのあとは、若干の休憩をはさんで、展示室に場所を移してのギャラリートークが行われました。トークは、特別展示室の初期モノクロ写真、展示室1の美瑛の風景、展示室2の里山の風景および、水や樹木にちなんだ作品、3階ロビーの撮影機材やデータノート等の順に進み、若い頃から前田真三のアシスタントとして撮影に同行し、制作の現場をつぶさに見てきた前田晃さんならではの、興味深くも生々しい話が随所で語られました。

以下、ギャラリートークの様子です

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  1. 2016/08/30(火) 14:31:29|
  2. 展覧会
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  1. 2016/08/30(火) 13:30:01|
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対話型鑑賞の会「作品の声を聴こう」が行われました

 8月27日(土)、「風景のかたち −前田真三と現代日本の風景写真」の関連プログラムとして、対話型鑑賞の会「作品の声を聴こう」(一般対象)が行われました。
 対話型鑑賞とは、作品や作者に関する知識や背景などからではなく、作品をじっくりと観て、そこから得た感想を自分のことばで話し合うことで作品の理解を深める鑑賞法です。
 今回は、前田真三の作品を3点、現代日本の作家の作品を3点ずつを対象に、5分ほどを鑑賞に、その後10分ほどを対話にあてての、合わせて90分ほどのプログラムになりました。鑑賞の中で聞かれた感想をいくつか紹介します。


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前田真三《蒼い流れ》1982年 長野県上高地 ©Shinzo Maeda

最初に鑑賞した作品、前田真三の《蒼い流れ》です。
「水だけれども一見水に見えない」「水が流れる方向がいくつかに異なって分かれていて複雑で、どちらが上流でどちらが下流か一瞬わからなくなる」「台風の気象予報図のよう」「人の眼球の中の水を表しているよう」など、作品がより抽象的な分、さまざまなイメージが沸き上がってきた作品でした。



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前田真三《踊る青葉》1987年 群馬県みなかみ町 ©Shinzo Maeda

2点目は、これも抽象的な、前田真三の《踊る青葉》です。ここでも、「全体がポアポアしている」「視点がどことなく定まらない」「ところどころで枝が残像のようになって見える」「緑色の光に包まれた洞窟の中にいるイメージ」「上から見下ろす視点と、真ん前に見える水平の視点が混ざり合っているようで不思議」など、光と影にまつわるさまざまなイメージが沸き上がってきました。実はこの作品、風に青葉が揺れる光景を長時間露光で撮影した作品で、揺れる枝や葉の残像がかすかに見える背景と重なって作品になっており、それが強い抽象性を生み出しています。



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前田真三《代掻き》1984年 愛知県設楽町 ©Shinzo Maeda

引き続き前田真三の作品として《代掻き》を鑑賞しました。ここでは「一番上に重なっている田のかたちが不思議」「白い部分が雪のように見えて、冬と初夏の季節が交じり合っているように錯覚した」「人影のシルエットが風景に完全に溶け込んでいて生身の人に感じない」などの感想がありました。



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石川直樹《Mt.Fuji》2008年 東京都写真美術館蔵 ©Naoki Ishikawa

鑑賞は現代の写真家に移って、石川直樹の「Mt.Fuji」から始まりました。ここでは、「鳥居と杭の角度が同じで何か意味を感じる」「真ん中の雲が境界になっっていて、その上の山々が中空に浮いているように見える」「全体の構図が、目の前の風景を美しくまとめようとしているのではなく、作者がもとから持つ精神の中の構図であるように感じる」などの意見が語られました。



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中里和人《惑星(Muroto,Kochi 2016)》2016年 作家蔵 ©Katsuhito Nakazato

現代の写真家の写真家の最後は。中里和人の「惑星」です。「ところどころで光を反射している岩と闇の暗さの差が激しい」「岩の一部は岩肌ではなく人の皮膚のようにも見える」「人の営みとは明らかに異なる時間の流れを感じる」「神々が温泉に浸かって歓談しているよう」など、暗闇に近い中で撮られたモチーフの不思議な質感に対する感想が寄せられました。

対話型鑑賞の会「作品の声を聴こう」は、次回9月18日(日)の14時より、小学生を対象にしたプログラムを予定しており、現在参加者を募集中です。ぜひお子さんと一緒にご参加ください。



  1. 2016/08/27(土) 18:47:01|
  2. 展覧会
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「風景のかたち −前田真三と現代日本の風景写真」が開幕しました

 8月6日(土)、足利市立美術館での写真展としては久々に行われる、「風景のかたち −前田真三と現代日本の風景写真」が開幕しました。
 前田真三は、信州や奥三河をはじめとして、日本の原風景ともいえる里山の景観のほか、樹木や水などにまつわる各地の風景を撮影して作品を発表した後、1970年代以降は北海道・美瑛町の丘陵地帯を主要なモチーフに加えて、数々の代表作を発表した写真家です。作品は、撮られた風景自体の美しさを生かしつつ、造形的な構図と色彩をもとに画面がつくり上げられています。そこには絵画にも通じる美が感じ取ることもできます。
 また、この展覧会では、風景の造形性をテーマに、1980年代から現在にいたるまでの、現代日本の写真家9名による風景写真を展示しています。その独自の視点や表現は、普段見過ごしている世界の美しさや、風景に対する新たな見方を気付かせてくれるものです。
 展示は、前田真三作品67点と、現代日本の写真家の作品51点で構成されています。中でも前田真三作品は、故郷・八王子の風景、美瑛・丘の情景、原風景のかたち、水の情景・樹の情景の4つの部分に分かれて展示され、現代の写真家の作品として、畠山直哉、石川直樹、楢橋朝子、伊奈英次、小林のりお、本郷毅史、津田直、中里和人、叶野千晶の各作品を順にめぐります。


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前田真三:故郷・八王子の風景(特別展示室)


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前田真三:美瑛・丘の情景(展示室1)


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前田真三:原風景のかたち(展示室2)


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前田真三:水の情景・樹の情景(展示室2)


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以降、現代日本の写真家
畠山直哉作品(展示室2)


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石川直樹作品(展示室2)


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楢橋朝子作品(展示室2)


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小林のりお作品(展示室2)


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伊奈英次作品(展示室2)


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展示室2の全景


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展示室3の全景


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本郷毅史作品(展示室3)


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津田直作品(展示室3)


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中里和人作品(展示室3)



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叶野千晶作品(展示室3)



 展覧会は10月10日(月・祝)まで。会期中には、前田真三の長男で写真家の前田晃さん(株式会社丹渓代表)による講演会(8/28)、出品作家である叶野千晶さんのワークショップ(9/3)、中里和人さんのワークショップ(9/17)、小林のりおさんのワークショップ(10/2)、前田真三の作品にちなんで、水と光をテーマにしたロビーでのピアノコンサート(9/4)、各種の鑑賞プログラムなど、様々なイベントを予定しております。参加をどうぞご検討をください。

 なお、展覧会の詳細は、公式サイトhttp://www.watv.ne.jp/~ashi-bi/をご参照ください。





  1. 2016/08/06(土) 18:18:35|
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