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足利市立美術館

栃木県の足利市立美術館から、展覧会やイベントの情報などをお知らせします。

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叶野千晶さんによるワークショップが行われました

 9月3日(土)、出品作家の叶野千晶さんによるワークショップ「うつす、あらわす、えがく -写真手彩色で風景をつくる」が、8名のご参加によって開催されました。
 手彩色写真とは、カラー写真がまだない時代、モノクロの写真に手作業で絵具を彩色して擬似的なカラー写真をつくる、幕末から戦前期にかけて行われた写真の手法です。特に明治期には、風景や人物、文化、芸能などをもとにしたものが一種の工芸品としてつくられ、日本に滞在したり旅行で訪れた外国人へのお土産用として販売されこともありました。
 今回のワークショップは、この古い手法を実際に行うことで写真の原点の一端を体験し、現像やプリントという作業が一般的には行われなくなった今、写真にまつわる手作業を楽しみつつ、その歴史に触れてもらおうという意図を含んでいます。
 まずは講師の叶野さんから、幕末〜明治期の写真や手彩色写真の歴史や、今それを行うことの意義などについての説明が、カラーコピーによる資料などを交えて行われました。

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 そのあといよいよ、全員で鑁阿寺に移動しての撮影です。鑁阿寺は足利でもっとも歴史が深い場所の一つで、今回の写真展の中で、叶野さんが出品作品一点を撮られた場所でもあります。こうした場所をモチーフにして、現代から昔を振り返り、そこでそれぞれが感じた何かを、手彩色という古い手法を通して表すことが、このワークショップの目標でもありました。
 撮影は、鑁阿寺の境内の中で50分ほどの時間をそれぞれ自由に撮って行われました。国宝でる本堂、鎌倉時代以来の大ケヤキ、庭園の池、庚申塔など、歴史が刻まれたモチーフに対して自由なアプローチがなされ、撮影を終えていったん解散。1時間ほどの昼休みをはさんで美術館に再び集まり、手彩色のベースとなる作品選びへと進みます。

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 それぞれが撮った写真を一人ずつ、パソコンに取り込んだデータをプロジェクターに映し出していきます。その中から叶野さんが、それぞれのモチーフに対する独自の視点や思いが伝わってくるような写真を務めて選び、各2点ずつの写真が選び出されました。

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 これをパソコンでモノクロの画像に変換し、叶野さんが用意した特厚の水彩紙(写真の黎明期に鶏卵紙を使ってプリントしていたことをふまえて、それに質感が近い紙が選ばれました)をポストカードよりも一回り大きめのサイズに切ったものに、インクジェットプリンターで次々とプリントしていきます。この間に参加者は、手慣らしのための試作として用意したモノクロプリントに、透明水彩絵具と細い筆で着色していきます。
 そしていよいよ手彩色によるワークの本番です。まずは最初の一点。透明水彩なので重ね塗りをしないと鮮明な色は乗りにくいこと、塗り残し場所のつくり方も意外と重要なことを、実際にお作業を通して体験していきます。さらに2点目。それぞれが一点目よりも、彩色することによってもとの写真のイメージがさらに広がるようなものがつくられていたのではないかと思います。

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 制作終了後は全ての作品を一所に並べて、叶野さんによる講評が行われました。ここでは、同じ場所、同じ時間を共有しながらも、8名それぞれが明らかに異なる風景の見方をしていたことがわかるような際立った違いを、作品から感じ取ることができたように思います。

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  1. 2016/09/14(水) 22:37:55|
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