川端康成(1899-1972)は、大正から昭和にかけて活躍し、1968年には日本人初のノーベル文学賞を受賞した近現代日本文学を代表する作家です。吉増剛造さんは、川端康成についての講演をたびたび行っていますが、近年では川端が愛賞した江戸時代の文人画家・浦上玉堂との関わりの中で多く語られています。映像作品gozoCiné「浦上玉堂の魂の手ノ血が点々と―2014・7・27岡山、東京」で吉増さんが撮影した《凍雲篩雪図》は、浦上玉堂の最高傑作とも称され国宝に指定されるとともに、川端康成の愛蔵品としても知られた作品です。同映像作品において、吉増さんは川端の眼差しを手掛かりの一つとして、浦上玉堂の《凍雲篩雪図》を見つめています。

左は川端康成「初空に鶴千羽舞ふ幻の」(龍泉寺美術館蔵)、右は浦上玉堂「山林読書図」(福島県立博物館蔵)
- 2017/12/11(月) 08:22:40|
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